拡張性テキスト解析Zend_Search_Lucene_Analysis_Analyzer クラスは、 ドキュメントのテキストフィールドをトークン化 (単語に分解) する際にインデクサが使用します。 Zend_Search_Lucene_Analysis_Analyzer::getDefault() および Zend_Search_Lucene_Analysis_Analyzer::setDefault() メソッドで、デフォルトの解析器を取得あるいは設定します。 したがって、独自のテキスト解析器を指定したり、 定義済みの解析器である Zend_Search_Lucene_Analysis_Analyzer_Common_Text および Zend_Search_Lucene_Analysis_Analyzer_Common_Text_CaseInsensitive (デフォルト) の中から選んだものを指定したりできることになります。 これらの解析器はどちらもトークンを文字列として解釈しますが、 Zend_Search_Lucene_Analysis_Analyzer_Common_Text_CaseInsensitive はトークンを小文字に変換します。 解析器を変更するには、以下のようにします。 ユーザ定義の解析器のための共通の親クラスとして設計されているのが Zend_Search_Lucene_Analysis_Analyzer_Common です。 ユーザが定義しなければならないのは reset() および nextToken() メソッドのみで、 これは文字列を $_input から受け取って順に返します (NULL が最後のデータを表します)。 nextToken() メソッドでは、各トークンに対して normalize() メソッドを適用しなければなりません。 これにより、作成した解析器をトークンフィルタとして使用できるようになります。 独自のテキスト解析器の例を示します。 これは、数字つきの単語をひとつの言葉として扱います。 Example #1 独自のテキスト解析器
トークンのフィルタリングZend_Search_Lucene_Analysis_Analyzer_Common 解析器には、トークンをフィルタリングする仕組みもあります。 mechanism. Zend_Search_Lucene_Analysis_TokenFilter クラスは、このフィルタリングの仕組みを抽象化したものです。 自分でフィルタを作成する際には、これを継承します。 独自に作成するフィルタは、 normalize() メソッドを実装する必要があります。 このメソッドは、入力トークンを変換したり トークンを読み飛ばす指示を出したりします。 Analysis のサブパッケージとして、これらの三つのフィルタが定義されています。
Zend_Search_Lucene_Analysis_TokenFilter_StopWords のコンストラクタには、禁止単語の配列を入力として渡します。 この禁止単語はファイルから読み込ませることもできます。 ファイル形式は一般的なテキストファイルで、各文字列にひとつの単語が含まれるものとなります。 '#' を指定すると、その文字列はコメントであるとみなします。 Zend_Search_Lucene_Analysis_TokenFilter_ShortWords のコンストラクタには、オプションの引数をひとつ指定できます。 これは単語長の制限を表し、デフォルト値は 2 です。 重み付けのアルゴリズムクエリ q の、ドキュメント d に対するスコアは以下のように定義されます。
tf(t in d) - Zend_Search_Lucene_Search_Similarity::tf($freq) - ドキュメント内での単語あるいは熟語の出現頻度に基づく重み要素。 idf(t) - Zend_Search_Lucene_Search_Similarity::idf($input, $reader) - 指定したインデックスに対する単純な単語の重み要素。 getBoost(t.field in d) - 単語のフィールドの重み。 lengthNorm($term) - フィールド内に含まれる単語の総数を正規化した値。 この値はインデックスに保存されます。 これらの値はフィールドの重みとともにインデックスに保存され、 検索コードによってヒットした各フィールドのスコアに掛けられます。 長いフィールドでマッチした場合は、あまり的確であるとはいえません。 そのため、このメソッドの実装は通常、 numTokens が大きいときにはより小さな値、 numTokens が小さいときにはより大きな値を返すようになっています。 coord(q,d) - Zend_Search_Lucene_Search_Similarity::coord($overlap, $maxOverlap) - ドキュメントに含まれる、検索対象の全単語の部分一致に基づく重み要素。 検索対象の単語のより多くの部分が存在しているほど、 検索結果としてよいものであるといえます。そのため、このメソッドの実装は通常、 これらのパラメータの割合が大きいときにはより大きな値、 割合が小さいときにはより小さな値を返すようになっています。 queryNorm(q) - 検索対象の各単語の重みの二乗の和で与えられる、クエリの正規化値。 この値は、検索対象の各単語の重みに掛けられます。 これは重み付けには影響しません。単に別のクエリの結果との差をなくすために使用されます。 重み付けのアルゴリズムを変更するには、独自の Similatity クラスを定義します。そのためには以下のように Zend_Search_Lucene_Search_Similarity クラスを継承し、 Zend_Search_Lucene_Search_Similarity::setDefault($similarity); メソッドでそれをデフォルトとして設定します。
保存先抽象クラス Zend_Search_Lucene_Storage_Directory では、ディレクトリ機能を提供しています。 Zend_Search_Lucene のコンストラクタでは、文字列あるいは Zend_Search_Lucene_Storage_Directory オブジェクトを入力として使用します。 Zend_Search_Lucene_Storage_Directory_Filesystem クラスは、 ファイルシステム用のディレクトリ機能を実装しています。 Zend_Search_Lucene コンストラクタの入力に文字列を使用すると、 インデックスリーダ (Zend_Search_Lucene オブジェクト) はそれをファイルシステムのパスと解釈し、 Zend_Search_Lucene_Storage_Directory_Filesystem オブジェクトのインスタンスを作成します。 独自のディレクトリ機能を実装するには、 Zend_Search_Lucene_Storage_Directory クラスを継承します。 Zend_Search_Lucene_Storage_Directory のメソッドは以下のとおりです。
Zend_Search_Lucene_Storage_Directory クラスの getFileObject($filename) メソッドは、 Zend_Search_Lucene_Storage_File オブジェクトを返します。 抽象クラス Zend_Search_Lucene_Storage_File では、 ファイルの抽象化およびインデックスファイルの基本的な読み込み機能を実装しています。 ディレクトリ機能を実装するには Zend_Search_Lucene_Storage_File クラスを継承しなければなりません。 Zend_Search_Lucene_Storage_File クラスを実装する際に オーバーロードしなければならないメソッドは 2 つだけです。
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